■中村美彦の無頼放談  ゲスト出演=小笠原道大
平成15年11月30日(土) 06:00〜06:30 HBC北海道放送(TBS系列)

「おはようございます、中村美彦です。無頼放談、今回のゲストは今年1年間本当に素晴らしい活躍をされて、来年のアテネオリンピックの切符の獲得にも、本当に獅子奮迅の活躍をされたました方をお尋ねしたいと思います。」 「私がいる場所からもうお分かりと思いますが、ここは来年からその方のホームグラウンドになるところです。そうです。待望の北海道初のプロ野球チームの”顔”になる選手です。」 「この球場というかグラウンドはですね。」 「はい。」 「やっぱりこう、広いですか?今まで色々なところでおやりになって。」 「そうですね、やっぱり広い球場のところに入りますね。」 「全く今日始めてここに来てみましたらね、ホームベースから向こうまで結構ありますね、フェアグランドよりかファウルグランドの方が結構。」 「そうですね、ファウルグランドが広いんで、その分余計に広く感じるんですね。」
「何か、こう活躍できそうなグラウンドのような感じがしますか?」 「そうですね、あの〜、今シーズン最後いい形で締めくくりましたし、自分的にはアジア予選3連勝しましたから、いい弾みになるんじゃないかなと。」 「いよいよ、来年から本拠地。ですよね。で、アテネのオリンピックも始まる。」 「はい。」 「予選は勝ち抜いた訳ですから、これからですね。長島ジャパン。」 「そうですね。はい。」 「色々な意味で、頑張られると思うんですけれども、ゆっくり色々小笠原さんのお話をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。」 「はい。よろしくお願いします。」
〜今シーズンの活躍など、簡単な紹介VTRが流れる〜
「小笠原さん、あの、俗な話ですが・・・寒いですか?」 「寒いですね〜、はい。(笑)」 「この間のアテネの予選の時、このグラウンドで活躍された時、あの時は寒くはなかった?」 「その時はもう・・・、感じなかったですね。はい。」 
「割と近い一塁側で、私も韓国戦は見ていたんです。あの時は思うようにいかなかったようだけれども、何か緊張されていませんでした?」 「そうですね、やっぱりすごいプレッシャーがありますから、自分の中では普通にやっているつもりでも自然に、そういう風に体が固まってしまうという状況になってしまいましたね。」 「今までにあぁいう経験はありました?」 「いやあれが初めてですね。はい。」 「野球を始められて、何かこう・・・背筋が寒くなるとか、ゾクゾクするとかいう事って・・・、それに答えなくてもいいんだけれど。」 「ほとんどないんですよ。まぁだから、昔からそういう強いチームにもいなかったですし(笑)。あの〜、そういう優勝経験もないですから、そういう意味ではそういう”しびれる”という感覚というものが・・・、なかったですよね。」 「今回は緊張した。しびれた?緊張した?」 「やっぱ最初、初戦の前の時くらいは、緊張というものがあったんですけれども、プレイしている中ではやっぱり・・・”しびれる”と言った方が合っているかなと。」 「よく後から聞いてみますと、色んな人がテレビとか新聞とかですが、やはり”日本”を背負っていくんだ、勝つんだっていう事を言う人がいましたが、どうです?」
「本当そのまんまですね。やっぱり、日の丸のユニフォームに袖を通してから、やっぱりその、通すまでの気持ちと通してからの気持ちが全然違いましたから。それが段々、練習から試合に向けて近づくにつれて気持ちも引き締まってきますし、みんなの気持ちが一つになってくるのを、やることは一つということで・・・なんていうんですかね、みんなが同じ方向を向いて、期待に応えるようにやっていましたけど。」 「二試合目の”ガッツポーズ”のことがよく言われますけど。」 「(笑)そうですね、あの。初戦も打ってなかったですし、その前の壮行試合とかでも全く結果が出ていなかったですから、・・・苦しんでいましたけれども、でもあの3試合というのは”個人の成績”よりもやっぱり”勝つ事”が自分達の義務というかやるべき事だったので、それでもやっぱりその勝つことに貢献出来たというか、それに対して打てた事がなによりも嬉しかったので、またその、打った事によって監督・コーチ・選手、またあのスタンドの応援してくれる方達から、みんなが喜んでくれると。やはりそういう意味でみんなが一つになった時、やっぱ初めてそういう”ガッツポーズ”というか、そういうものが何ていうんですかね、自然に体から出るというか。」「そういう小笠原さんのガッツポーズを見て、ほっとしたというか嬉しかった北海道のファンが多いと思いますけどねぇ。」 「ん〜やっぱりあの色んな意味で、ほっとしたと思いますけれどもね。(笑)」
「さらに、そのよく、”苦労”とかいうんですけれども、解説の人は。年間で”この試合”の”この瞬間”で優勝が決まるとかよく言いますよね。それは私は素人だから、そういう風に軽く言うけれども、おやりになっている方は大変だと思うけれども。そういうものですか?なんとなく。」 「そうですね、その〜・・・、長いシーズンでの”これで優勝が決まる”という経験がないんで、まぁその事に関してはコメントできないんですけれども、今回の3試合に限っては、1試合も負けられないんですよね。うん。」 「そうですね。」 「そういう意味で一試合一試合、一瞬、一つのプレーが左右しますから、常に自分のパフォーマンスを100%出す、その事だけに集中して全員がやっていたと思うんで、じゃあ逆に長いシーズン毎試合それを出来るかと言ったら、それは出来ません。(笑)あのプレッシャーで140試合、多分、体が壊れると思います。」
「来年のオリンピックの本番にはですね、当然・・・お行きになるんでしょうね?(笑)」 「(笑)あのですね、自分の気持ちとしては行きたいんですけれども、やっぱりその来年も選考会がありますから、そこでもう一回名前が挙がるようにその期間まで、何とか自分で頑張って結果を出して選ばれるように、していかないといけないんですけれども、ただその・・・、その為だけにシーズンをやっている訳ではないので、やっぱりその、シーズンも併用して。」 「そうですね。」 「基本がシーズンを勝つためにやってその結果、選ばれると。この形が一番いいと思うのでなんとか頑張って行きたいですね。」
「札幌にホームグラウンドが移る、と言ったらお嬢さんお二人と奥様はどうおっしゃいました?」 「最初はもう、”信じられない”って感じでしたけどね。(笑)自分も信じられなかったですからね。(笑)突然あの、新聞に出ましたから。全くその、選手達に話が通っていなかったものですから。・・・本当なのかな?っていうものがあったんですけれども。ただ、やっぱりその。何ていうんですか。何かを変えなくてはいけない時というのは、色々なものを変えていかなくては変わらないと思うんですよね。同じ場所で気持ちだけ変えよう、何かを変えようとしても、やっぱりその・・・最初から、一というかゼロの場所から全てを変えていかないと、何も変わらないと思うんですよね。で、最近。ここ数年。ずっとBクラス。どうしたらいいかと。監督を変えてもだめだと。やっぱりそういう風になった場合には、グラウンドも変えて、ユニフォームも全て変えて、何もかも変えて、球団の方針というのも色々変えていって。またその、選手の気持ち。色々なものを変えていかないと、強くなっていかないと思うんですよ。だから、そういう意味では今回の”北海道移転”というのは、すごい、ファイターズにとって、良かった事ではないかと思いますけれども。
「北海道の人達にとって、初めてここを自分の球場(フランチャイズ)だと言ってくれるプロ野球チームが出た訳ですから、これはやっぱり”想い”というのは相当違うんですよね。だから、それまでは巨人ファンだ、やれ阪神だ・・・、私は広島のファンなんですけど(笑)、まぁ色んな人達がいるんだけれども、やっぱり日本ハムファイターズがここに来たら、応援しようという人はいると思うんですよね。こういう人達に対して、何かお話をするとしたら何がありますかね?」 「そうですね、その〜・・・やっぱり来年から本拠地としてやっていく訳ですから、だからその・・・、プロ野球チームが来た。じゃあ観に行こう。応援しよう。・・・そういう事ではなくですね、やっぱり強いチームを作るためには選手・球団・チーム・フロントの方達とか、その人達だけでは強くなっていかないと思うんですよ。やっぱり最後は、応援してくれるファンの人達があって強くなって行くと思うんですよ。だから、そういう意味ではこう、これはもう拠点にしてやって行く訳ですから、”北海道全体”で、”北海道のチーム”として作っていかなくちゃいけないんじゃないかなと思うんですよ。時間が空いたら球場に来て、え〜・・・・くたくたになるくらい大っきな声を出して応援して、また自分達はボロボロになるまでプレーして、みんなで一つになってやって行きたいな、という気持ちがあるんで・・・。ただ、あのアジア予選の時にもらった声援というのは、東京の方達にも負けないくらいの大きな声援だったので。それがその、”全日本の小笠原”としての声援ではなくね、来年以降その〜、自分だけではなくファイターズを・・・、あの時みたいに大きな声援を送ってもらいたいなと。願っているんですけど。」
「北海道ってのはわりと、”情が深い”というところがあって、私も韓国戦を見ていて・・・、もう何せ小笠原さんに対する声援はね、他の人と違うんですよ。」 「いやあの〜・・・、鳥肌立ちましたけどね、あれは(笑)。はい。」 「だからその、ヒットが打てなかったっていうのは・・・まぁ3試合目はあまり元気じゃなかったから、でもそうするとその落胆の仕方がですね、他の人が・・・例えば城島さんが打てなかったというときのね、落胆の仕方と違うんですよね。」 「いやそれはあの、やってて心痛かったですねどね・・・(笑)。はい。」 「だからやっぱりそういう事を伺うと、ね。2戦目のガッツポーズが。」 「そうですね、あれがせめてもの・・・。(笑)」
「今度何か、アメリカから帰ってくる人が、ね。」 「ん〜ん。いますね。(微笑)はい。」 「日本にいる時、何度もお会いになった事はあります?」 「いや、ほとんどないんですよ。」 「今日。今朝実はね・・・。小笠原さんに”その人”の話は聞かない事にしようと思っていた。」 「はい。」 「でも段々何か近くなってきたんでね。いやいや。新庄さんですが。」 「はい。」 「キャラクターは全然違うのかな、と思うんだけれどもどうです?」 「自分とですか?」 「ええ。」 「・・・うん。見たまんま違うと思いますね。はい。」 「一つのチームの中で、そういうキャラクターの違う人達がいて、やっていくという事で”プラス”になる事って、何がありますかね?」 「やっぱりその〜、色々なオリジナリティを持った選手が集まる。それが”プロ”だと思いますから、同じ人間が集まってやる必要はないと思うんで。みんなが”右向け右”じゃなく、逆の方向を向いている人がいれば、上を向く、下を向く、そういう集団。それがプロだと思うんで。ただ、やる時にはみんな一つになってやって行く。それが一つのチームだと思うんで、ただその〜・・・、おとなしいので。逆にそういう”刺激”が入って、チームにとってはその〜、本当にその活性化されるというか。またそのポジション的に競争が生まれます。一人入る事によって一人洩れる訳ですから、そういう意味ではすごい刺激をし合って、いい競争して、そうすればおのおのレベルアップにも繋がります。それがやっぱりチームの勝利に近づくと思うんで。・・・だから、すごい・・・、技術も持ってますから、キャラクターこう、周りの方達はよく言われますけれども、そうではなくやっぱり野球と、ね。(それはやっぱり大リーグで評価された訳ですからね。)うん、やっている訳ですから、やっぱりそのすごいものを持ってますから、そういう意味ではただ単にもう、入る事によってそれだけでプラスだと思うんですよ。何をするとかじゃなくね。その存在がプラスになると思うんで。それにまたみんなでプラスアルファでやっていく。うん。」
「大リーグのプレーヤーになりたいという興味はありますか?」 「ん〜、そうですねあの〜、ん〜”ない”と言ったら嘘ですね。・・・ただやっぱりその前に、自分のやるべき事というものが、たくさんありますから。うん。まずそれを達成しないまでは、そういうものは口に出来ないんじゃないかな、と。」 「普通からいえば、4年連続で30本以上のホームランは打つ、3割は打っているというんだったら、それだけで十分じゃないかと思うけど、多分・・・あの、”まだやっていない事”は”優勝”でしょう?そうじゃないんですか?」 「そうですね、毎年”優勝優勝”いっているんですけれどもね、その・・・絵空事っていうかね。なかなか・・・(笑)近づかないんですけれども。」 「何で優勝出来ないんですか?」 「・・・何ででしょうね。・・・・・・まぁ、色々なポイントというか、何故そういう出来ないというのはあるんですけれども。」 
「優勝できない幾つかのポイントというか、理由はですね。球団のみなさんに共通しているものですか?そうじゃなくて、一人一人がそう思って、そのレベルによっても違うのですか?」 「・・・と思いますね。・・・ただその、一番底辺で思っていなくてはならないものはみんな同じなんですけれども、やっぱりその立場・ポジション、色んなものによって色々役割も違いますから、(あぁ、そうですね。)またその、何ていうんですか、若い選手。そりゃまぁ色々な周りのことも考えられないですから、そういう選手達というのはやっぱり自分の事、目の前の事を一生懸命やればいいと思うんですよ。その、でも・・・、それが出来ない・・・最後まで。最初はそう思っているんですけれども、それが最後まで、シーズン終わるまで・・・やり通せない。途中で止めてしまう。あきらめてしまう。やっぱりそういうものがあると一人でもいたら、やっぱりいい結果には繋がっていかないですね。」 「ヒルマン監督はどうでしょうね、そういうところ。」 「いやあの〜、監督はすごい諦めるのが大嫌いな方なので、それは今シーズン始まる前から常に口にしていた事なので。ただそれが、若い選手がどれだけ理解して、何故そういう事を言うのか。理解してやっていたかどうかと言うと、それはちょっと分からないんですけれども。」
「まぁ、30歳。あと5年後はどうされていますか?」 「・・・(笑)あぁ〜、考えていないですね。」 「札幌にはいますか?」 「ん〜。と思いますけれども、全く考えられないというか、まずはその〜来年の事しか考えていないというか、北海道に本拠地を置いて一年目。いかにその〜、北海道の人達に自分達のチームをアピールするか。まずそこしか考えていないので、ん〜・・・だからその先の事はビジョンがまだ出てきていないというか・・、うん。」 「数字の目標というのは、来年のはもう立てているんですか?ご自分の中では。」 「いやぁ、いつも毎年数字はあんまり設定していないんですけれども。あの・・ここまで来るともう・・・・・・。”勝ちたい”んですよ。(笑)」 「あぁ・・・。正直なところ。」 「本当に正直なところで、タイトルよりもあの、チャンピオンフラッグを北海道に持って帰りたいんですよね。」 「北海道の人だけではなくって東京で待っていて、是非北海道のチームになってチャンピオンフラッグを、という人だっているでしょうねぇ。」 「そうですね、だからその〜、全てがその自分達がチャンピオンフラッグを手にする事が、北海道の方達だけではなくね、その全国、応援してくれる方達への恩返しだと思っているので・・・。そういう意味でも、何としても自分がユニフォームを着ているうちに優勝したいんですけれどもね。」 「優勝したら・・・、やっぱりアメリカに行きますか?」 「・・・・ん〜〜ん、その時考えます。(笑)はい。」
「北海道は、そりゃ雪が降っている時が多いもんですからねぇ、(はい。)甲子園の高校野球でも優勝した事がないんですよね。まぁ色んな意味でその鬱積しているものがあって、それをエネルギーにしてもらいたいと思うんですが、今度日本ハムがこっちへ来て、小笠原さんをこう、間近に見れるようになった、特に高校生とかみんな頑張ると思うんですね。この人達にひと言いうとしたら何がありますかね?アドバイスというか。どうしたら上手くなるかなんていうのはいいような話なんだけれども。」 「そうですね。やっぱり自分に自信を持つというか、あの〜北海道だから他よりも雪があってまともな練習が出来ない。ハンデがある。そういう事を思っていたら、一生甲子園で勝てない(優勝)と思うんですよ。そういう意味ではこう、まぁあの環境は違いますけれども、自分達も北海道に来て、多分今同じ状況だと思うんですよ。自分達も優勝出来ない。それと同じ状況だと思うので、やっぱり自分達がまずそういう風に見せて、高校生とかに”勇気”と”夢”を与えてあげれたら、本当に自分達もやっててよかったなと思いますんでね、そのためにもまず自分達が先頭に立って、その〜若い選手たちに”自分達も頑張ろう”と、またそれで”北海道のプロのチームに入ろう”と、思えるように、やっぱりどんどん、どんどん、頑張っていかないといけないなと思います。」 「いや、どうもありがとうございました。」
「非常に魅力的な、男性的な、小笠原選手に色々お話をお聞きしました。すこぶるナイーブな所もあるような気もいたしました。北海道の高校野球って、なかなか甲子園でも、ある程度は活躍しても優勝した事がない訳です。小笠原選手も今まで、一度も優勝経験は高校野球から社会人、プロ野球になってもないそうです。しかしやっぱり、自分を信じて色々と頑張っていくならば、きっと未来があるでしょう。というようなお話を、さっきしていました。これはそっくりそのまま、これからの北海道に言えることだと思っています。彼は来年、間違いなくまた活躍すると思いますけれども、私達北海道に住む人間もこれから一生懸命頑張って、彼に負けないように努力して行きたいと思います。
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