２年目を迎え期待の大きい正田だが、残念ながらその期待にこたえる投球をしているとはいえない。今シーズンも後半戦に入ってようやく一軍へ昇格したが、目に見えて成長したというようには感じなかった。 　この写真はシーズン開幕直前のものということだが、正田の課題がそのまま見える。全体的な流れを見てまず感じられることは、フォームにダイナミックさがないこと。小ぢんまりとまとまってしまっていることだ。 　その原因は、一言で言えば流れの悪さにある。足を大きく上げて、一見ダイナミックにスタートしたように見えたそのフォームだが、③で高く上げた足を二塁方向へ回し過ぎているため、その反動で上体はホーム方向へ流れ気味になる、もちろん、上体が流れたままではまともな投球ができなくなるので、④では上体を真っすぐに戻そうとしている。上体が"前"へ行ったり"後ろ"に戻ったりしているために、体重移動が投球の中でうまく使えていないのだ。 　続く⑦で正田は、流れが止まったフォームを"再起動"させるために右手を大きく上げて反動をとる。しかしいったん動きがマイナス方向へと動いたフォームは十分な体重移動ができず、本来、本塁方向へ重心を乗せていかなければならない⑫～⑭でも、ステップ幅も小さく、その場で小手先でポールをコントロールしようというフォームになり、最後のフォロースルーでは腰が引け、全く力強さを感じないものになってしまっている。 　素質の高さはあっても、それを生かし切れていないのが今の正田。③で足を真っすぐ引き上げ、そのまま本塁方向に体を動かしていくことを意識すれば、よくなると思う。 正田　樹 体重移動が不十分で 　　　力強さにも欠ける 　　　　　　　　　解説・牛島和彦
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