一言で言えば、無理のないスムーズな投げ方。しかし、その半面、力強さを全く感じないフォームでもある。投手というもの、確かに無理なくスムーズに投じるということは大切ではあるが、その一方で打者から嫌がられるような、怖さといったものを感じさせるようなフォームでないと、勝ち星を積み重ねていくというのは難しいのではないかと思っている。芝草のフォームはおとなしすぎる印象、恐らく打者は全くと言っていいほど怖さは感じていないだろう。
 芝草は球威自体がそれほどなく、もともとコンビネーションで勝負する投手どいう自覚を持っていると思う。しかし、変化球を投げるにしても、それほど速くないストレートでも伸びのあるストレートを投げるためにも、やはり下半身を有効に使うことが大事。芝草は足幅は広くステップしているくせに、実際に投げている姿は上半身が突っ立っている印象がある。これはすなわち下半身を有効に使っていない証拠だ。
 コントロールを重視するあまり、このようなフォームになったのだと思われるが、これでは、少しでも甘いコースにいけば打者に痛打を浴びてしまう危険性が高い。
 フォーム全体は特にここを直すという欠点らしい欠点はない。足りないのは力強さだけ。1pでも2pでも打者に近いところでポールを離す気持ち、足幅をもう一足くらい伸ばしてでも投じるくらいの気持ちでいいのではないかと思う。
 今のままでは調子を取り戻したところでせいぜい6、7勝止まりのピッチャー。力強さをつけることでその殻を破ることが出来るかもしれない。 芝草 宇宙
力強さの欠けた
  特徴のないフォーム
           解説・杉下茂
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