下位に低迷する日本ハムにあって懸命にチームを引っ張っている広瀬。その試合に打ち込む姿勢はフレーヤーの鑑であり、しっかりとプロ意識をもった好選手といっていい。ファンもこうしたプレーヤーを望んでいるだけに、広瀬には今後もハッスルプレーを続けてもらいたいものだ。では、さっそくその広瀬のバッティングフォームを連続写真を見ながら解説していこう。 　まず①が構えだが、塁に出るバッティングに徹しているだけに実に楽に構えているのがわかる。②で両ピザを柔らかく保ちながらバックスイングを始め、③のように前足を引きつけて軽い一本足打法で重心を移動している。 　その引きつけた左足を④⑤と前に踏み込んでいきながらピッチャーの球をよく見て⑥で着地し、続く⑦⑧で球を上から叩くスイングをしている。 　広瀬の場合、いわゆるロングヒッターがとるような大きなフォロースルーではなく⑪⑫のように、すぐ一塁へ走り出せる形をとっている。これも広瀬のバッティングそのものが、ピッチャーの球にバットをぶつけていく打法に徹し切っているからにほかならない。そのために、打球はセンターから右の万向に飛び、確率の高いものになっている。昨季、初めて規定打席に到達し、今季は常に３割前後をキープする安定ぶりを見せているのも、こうした自分の特徴を十分にわきまえたバッティングを続けている賜物であろう。 　ただ、調子を崩すと頭が突っ込んでボール球に手を出すケースが時折、見うけられる。そんな時こそ、ボールから目を離すことなくバットをぶつけていく広瀬本来の持ち味を出していけば、結果に結びついていくはずである。 　ファイトがあり、足もあり、トップバッターとしては大切な条件を備えている。チームの低迷を何とかふり払おうとする姿勢はすがすがしさを感じさせてくれる。塁に出ることに徹した打撃をさらに磨いて見ているファンに気持ちのいいプレーを続けてほしい。 広瀬　哲朗 ボールにバットを 　ぶつけていく打法が持ち味 　　　　　　　　　　　　　解説・川上哲治
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