プロ入り5年目、23歳といえば伸び盛りで、どちらかといえぱ、上手くなるというより力がついてくる時期のはすだが、どうもこのところ、しぼんでいる印象を受ける。
 おそらく本人は、速いタマで押していくというよりも、コントロール主体にまとめていこうとする方向を選んだのであろう。フォームをノーワインドアップにしたあたりにも、その方向性がうかがえる。その意味では、Eの時、以前より重心が右足に残るようになった点は進歩である。これによって下半身をより自由に使え、それに伴って大きなバックスイングが生まれてコントロールをつけやすくなるのである。
 コントロールはよくなった津野だが、半面、フォーム全体の力強さが感じられなくなっている。IからKあたりは、いずれも腰が残ったままになっている感じだ。軸足のけりと左足の引っばりをもう少し使って、腰を前に乗せてこれればいいのだが、そのために一つ提言したいのが、Dの時に左ヒザの裏側を打者の方向に向ける気持ちを持つことだ。
 今のフォームは、いわば腰をヨコに使う形になっており、そのためにFで力が外に逃げてしまっている。それをカバーするために上体が前に出て腰が残ることになるのだが、先にいったヒザの使い方をマスターすれば、腰をタテに使うことができ、F以後で見られた欠点が是正されて、フォームに力強さが出てくるであろう。
 全体的には、欠点の少ないフォームで、まとまっているので、今のままでも、ローテーション投手としてやってはいけると思うが、これから西崎あたりと並んで日本ハムの屋台骨を背負っていこうというなら、ワインドアップモーションにして、ストレート中心のピッチングをするべきであろう。その万が、打者に威圧感を与えることができる。いずれにせよ、逸材には違いないだけに、このまま小さくまとめてしまうには惜しい投手である。 津野 浩
制球力に進歩があるが
   とり戻したい力強さ
             解説・杉下茂
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