昨シーズン途中からトップバッターに定着した白井、プロ入りしてからスイッチヒッターに転向した打者だが、後半戦のバッティングは右も左も非常によく頑張ったといえよう。右打席を順に追って見ていこう。
 @のスタンスは非のうちどころがない。特にクセのない素直な構えで、柔らかい感じを与えている。Aからバックスイングを開始する。前足を引きつけ、重心をうしろ足に乗せてトップをとったあと、Cから前足を踏み出していく。
 Eで着地するが、このときのグリップの位置が少し低い。パワーのある選手ならば、多少フォームに無理があってもそのパワーで補うことができるかもしれないが、白井の場合は体格がないのでこの点には特に注意すべきだ。正しいフォームを身につけてボールに対応しなければ、威力のあるボールに力負けしてしまう。CからEへと前足を踏み出していくときにグリップを徐々に上げてくるようにすればもっと楽に上からボールを叩けるようになる。
 それでも、ここまでのフォームは比較的まとまっているといえるが、白井の課題はこの後の、Gのバットの振りおろしからIのインパクトにかけてにある。結論からいえば、下半身の回転を早く行いすぎて、上体とのバランスが悪く、その下半身の力がバットへ伝わっていないのだ。
 Iのインパクトの瞬間は、うしろ足の送りも中途半端で力というものを全く感じさせなくなってしまっている。
 基本的なことではあるが、腰の回転を利かしながら前足にうまく重心を乗せてボールをとらえるようにしていかねば、パンチ力はつかない。右足の送りが不十分なために左足の力も抜けて、今のままでは、手だけのスイングとなる危険が多い。これが白井にパンチ力がない原因の一つだろう。
 昨季、一番打者として定着はしたものの、その打率はといえば2割3分台とまだ未熟。しかし、まだ若いし、これから伸びる可能性も十分にある。練習は熱心と聞いている。期待をもてそうだ。 白井 一幸
下半身の回転が早すぎて
      バランスが悪い
            解説・川上哲治
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