最近の投手はノーワインドアップや、走者がいなくてもセットポジションで投げる人が多い。特にセットポジションには、テレビなど途中から見る人に走者がいるのかと錯覚させ、驚かされるときがある。この投法の利点は上半身の揺れを少なくしてコントロールをよくすることと、タマの握りを打者に見せないところにある。だが、ワインドアップ投法に比べ、全身の動きが小さくなり、体の力を生かせない欠点がある。この欠点の原因は上、下半身が連動して、タテ、ヨコのしなりを作れないことにある。川原のフォームはこの欠点を持つ典型的なものといえる。
 @で始動し、Aで左足を十分に引き上げ、体を棒状にしてBでは左尻から打者に向かってステップする。ここまでは申し分ない。しかし、CからHまで右足と左手が全く同じように動き、上半身の絞りがなく、ヨコのしなりが使えない。しかもFのバックスイングのトップではステップした左足がまだ着地していず、体が浮いていて肝心の力のタメができない。そして着地したGでは左肩が開いて、Iのリリースのときにタテのしなりが使えず、Jのように右足が折れて、手投げになってしまう。
 このように川原のフォームは欠点だらけだが、今季日本ハム投手陣にあって、ロングリリーフなどで活躍した。ストレートの速さも変化球のキレもいいものがある。おそらく地肩が強いからだろう。
 しかし、30歳を超えた来季、年齢的に無理かもしれないが、フォーム改造にとり組まなければ、来季の大きな飛躍は望めないだろう。 川原 昭二
タテとヨコの体の
しなりが生きていない
         解説・稲尾和久
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