昨年2勝しかあげられなかった工藤が、今季はパ・リーグ唯一の20勝をあげ、日本ハムの工ースへと大成長した。
 たまたま昨年6月29日号のこの項で解剖したとき、私は腰の動きは下手投げ、上半身はスリークォーター、腕は横手投げと、身体と腕がアンバランスなので横手投げかスリークォーターかどちらかに徹すべきであるとアドバイスをした。
 今年のフォームをみるとそのへんが解消され、非常にバランスのとれたものに変身している。それではどのへんがどう変わったか、昨年のフォームと比較しながら解剖してみよう。
 まずDのバックスインクに入ろうとするときの姿勢が高くなった。昨年のフォームは、右足を深く折って上半身をかがみ込むようで、まるで下手投げ投手のようだった。次にHのインパクト(球が手から離れる時)に入る腕の振りが肩の線と平行になった。昨年は左肩が早く開き、上にあがるからそのために右腕の軌道が低く、打者に球道が見極めやすかった。大きくかわったのはこの二点だ。
 これは姿勢が低いとFからHまでの動きが苦しく、そのため左肩を開いてパックスイングの時、上半身を絞って作った"タメ"を殺してしまうからであり、また腕の軌道が下がると打者の視線と平行になり球道に角度がないからであったが、上半身をおこしフォームを高くして、身体の使い方を横手投げに徹した矯正が成功の因となった。本来、地肩と手菖の強さを持っている投手だけに、このように体の使い方を覚えたら20勝もうなずける。あとはフィニッシュの姿勢を低くして守備態勢を作っておくことだ。 工藤 幹夫
横手投げに徹した
フォーム矯正が成功の因
          解説・稲尾和久
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