昨年、クルーズはシーズン後半に足首を骨折し、プレーオフ・日本シリーズという大事な試合に出場できなかった。しかし、ペナントレースではソレイタとともに大きな戦力となった。一昨年と比べて打率では・309から・297に、本塁打では26本から18本に落ちたが、日本の野球に慣れてきた。
 彼のスイングは日本に来ているアメリカの選手と違って、いわゆる日本式の体重移動が特徴だ。つまり両足に平均して体重をかけて構えてから、テークバックの時に左足に体重移動。そして右足を踏み込むというスイングなのだ。このため変化球投手が多いといわれる日本の野球に早く順応できたのだろう。
 @は体全体の力を抜いて、リラックスした構えで非常にいい。Aでは前足を浮かせた時に、グリップの位置が下がっている。しかし、そのままではなく前足を踏み出すB〜Cを見ると、再びグリップが上がってきている。そしてさらに前足が着地した時は、左肩より上にグリップがきている。
 H〜Iでは、その高い位置からバットを振り下ろして、Kのフォロースルーへと続いている。テークバックの時に、前足を上げてグリップが下がるということは、腕でリズムを取っているということだ。最終的には左肩の上にグリップがくることが大切なことなのだ。タイミングよく体の割りに長打を放ち、そして打率も高いというクルーズの秘密はここにある。
 グリップを一度下げないでDの位置になればベストだが、彼特有のタイミングの取り方なのだからいたしかたないだろう。 トミー・クルーズ
日本式の体重移動で
変化球も苦にしない打撃
           解説・川上哲治
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