ロッテ時代の成田を知っている私は、この連続写真を見てなんともいえない寂しさと同じ境遇を歩んだ者として同情を禁じえない。それというのも38年まで運続20勝以上を続けた私は39年肩痛でシーズンを棒に振り治療に専念したからだ。翌40年には投げられるようにはなったが、そのフォームたるや往年の面影はなく悶々とした日を送ったものだ。
 一度肩を痛めると腕のしぼりや引きがなくなってしまう。つまり肩の線とヒジが同時に出てくるようになり成田の写真でいうとF〜Hのようになるのである。肩の筋肉が張りを失い、痛みが再発する怖さがそういったフォームにしてしまうのだ。さりとてその上体にあったフォームに改造することもできず、アンバランスなフォームで投げ続けなければならないのである。
 成田のフォームはまさに私がたどった通りで、@からEまでよく足が上がり胸を張り、申し分のない往年のものだ。だがF以下は全然鋭さがない。このような形では得意のシュート・スライダーも死んでしまうだろう。
 成田がこれからもプロ球界で生きていこうとするならば、C〜Dまでの左腕を大きく前に出すことをやめ、踏み出す足のスタンスをせばめ@〜Eまでのフォームをコンパクトなものにすることだ。そしてその分J以下のフォロースルーを大きくとって腕のしぼり引きのなさをカバーするしかないだろう。年齢的な衰えも考えながら思い切った改造が必要だと思う。 成田 文男
スタンスを狭めて
フォロースルーを大きく
         解説・稲尾和久
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