高橋一三投手といえば、巨人時代から左腕のコンビネーション投手として鳴らし、44年には22勝をあげ最多投手に輝くなどV9時代の中心投手として活躍した。現在も日本ハムの貴重な先発投手である。コンビネーションを命とする投手の長所は、@コントロールの正確さ。 A球種の豊富さ。 B打者心理を読む読心術である。この三要素を生かし打者の打つタイミングをはずし狙い球を絞らせないようにして、1球1球丁寧に討ち取っていくのである。この連続写真はそれを如実に証明している。
 まず@〜Fまでの始動からトップまで、非常に安定したフォームだ。これはコントロールの正確さにつながる一番大事なポイントだといえよう。
 とりわけBの写真は左足から肩までのラインが一本になり、腰の安定さにつながっている。さらに、そのラインが自然に前方へ移動してFのトップの状態へと続くのである。
 そこには、ひとつの力みも見られず、小柄ながら体を生かした理想的な投げ方だといえる。この自然体がまた打者に球種の読みを封じ、ヤマを張らせない原因につながっている。
 しかし、欲をいうならばG以下のフォームには難点が多い。特にIの写真では腰が落ち、左足が折れてしまって、せっかくの安定したフォームを崩してしまっている。この原因はステップの幅が広過ぎるためだろう。
 だがこれも打者に速い球を投げると見せかけ、ゆるい球を投げるためのものであるならば、止むを得ないことだろう。
 いずれにしても、小柄な体の投手が長い投手生命を続けられる要素がこの写真で明らかになっている。 高橋 一三
小柄な体を生かし打者
にヤマを張らせない
理想的な自然体といえる
           解説・稲尾和久
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