今季100セーブの日本新記録を達成した江夏。日本ハムの躍進に欠かせない重要なリリーバーだ。セーブという表彰規定ができて8年。リリーフ投手たちに夢と希望を与え、自らも新しい生き方を開拓した素晴らしい変身フォームである。その変身ぶりと長所を解説してみよう。
 締めくくりのリリーバーはまず、端的に抑えなければならない。1球の失投も許されず、野手との守りのリズムを狂わしてはならない。それには何はともあれコントロールが第一である。D〜Fまでの下半身の安定は生来のものとしても、Gの左ヒジを肩の線まで下げ、全盛時のオーバーハンドからスリークォーターに変えている。これはいかにコントロールを重視しているかの表れといえる。
 江夏の投げる姿を見たとき、誰もがあの出っ張った腹でよく投げられるものだと思うだろう。私も阪神時代後半の江夏の相撲取りのような体型を見たとき、もはや限界だと思ったものだ。しかしその後の活躍は周知の通りである。この連続写真を見ると、なるほどあの出っ張った腹がちっとも邪魔になっていないことに驚いた。Eの横への絞り出しも十分だし、Hの前傾姿勢も腹がつかえている感じはしない。むしろKのように自分の重量を上手く球に乗せている。ただI〜Jの左足が流れ物足りなさを感じるが、これは年齢からくる下半身の衰えで止むを得ないことだろう。
 阪神時代前半の全盛期の躍動美あふれる力強いフォームから、心臓病という持病や体型の変化、年齢的な衰えに応じた研究が自らを再開発し完成させた素晴らしいフォームである。 江夏 豊
体重を利したフォーム
  で体力の衰えをカバー
           解説・稲尾和久
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