昨シーズンはMVP・新人王・防御率第一位・最多勝など、パ・リーグ投手部門のタイトルを独占した木田。さすがに理想的なフォームである。さっそく彼のピッチングの長所とフォームの合致点を解明してみよう。
 1 まずコントロールがいい。
 打者に顔を向けてから、最後まで目標から視線を離さない。右足を十分に上げた写真Bのように、あたかも一本の棒を立てたごとく、上半身と下半身のズレがない。写真Gのように両足がしっかり着地して体を支え、腰の安定を保っている。
 2 スピンの利いたノビのある速球を投げる。
 写真Iで判るように、左ヒジが肩のラインより前に出ている。このヒジの使い方は先天的とはいえ、ボールに急速にスピンをかけられる投手にとって重要なポイントである。写真Jのように、投げた方向に腕が十分に伸びている。
 3 スリムな体の割りにスタミナがある。
 全体的に余分な力みがない。写真Fのように胸を十分に張って体全体で投げている。
 以上のように、ほぼ理想に近いフォームである。が、欠点がないわけではない。特にせっかく十分に引いた写真Dの左腕を写真Eではヒジを早く曲げてしまっている。そのために@〜Dまでの大きなフォロースルーの左ヒザが折れたまま流れ、左足の蹴りがない。従って左肩の突っ込みが少ない。それがフィニッシュ後の守備態勢で腰高になる因となっている。
 今季、日本ハムの優勝は木田の左腕にかかっている。相手も相当に研究してくるだろう。しかしそれをいかに克服して昨季以上の成績をあげるか。楽しみな投手である。 木田 勇
先天的な左ヒジの
使い方がスピンの利いた
  ノビのある速球を生む
           解説・稲尾和久
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