34歳になったベテラン高橋一投手は前期を終わって3勝2敗で2セーブ。新人の木田、高橋直らに次いで日本ハム躍進への貴重な星を稼いだといえる。復活したサウスポー!そんな印象が実感だがこの運続写真を見る限りでは以前に比べ特に変化のある"形"は見当たらない。しいていえぱF〜Iのリリース・ボイント前後のぶれ(あごを突き出し上体を一気に大きく前に突っ込んでゆく)が小じんまり納まってきたことである。
 それでもやはりE〜Gに見られる右足の踏み出し幅は広い方だし、年齢からすれば断然ストライドは大きい方である。裏を返せぱそれだけまだ"体のバネ"に若さがある証拠といえるのであるまいか。しかし安心してその投球を見つめることが出来るようになった背景には本人自身の「大丈夫」という気持ちが作用しているのが大きい。ピッチングとはそういうものである。
 これについて古い話だが記憶に残っていることがある。確か昭和27〜28年頃だったと思うが当時の水原監督(巨人)が渡米土産に"ワンポイント・リリーフ"を操って左腕・中尾投手を復活させてしまった。日本ハムのベンチが高橋一投手を左打者の多い近鉄・南海戦に主として振り向けたのもその戦法に似通ったものだと思うが実に賢明であった。今年の高橋一投手は、だから崩れることも少なかったし打者から逃げるふうもなかった。
 全体を通したフォームの流れは@〜Cが洞察を軸にした「静」。そしてD〜Gが得意の「動」。この後普通ならH〜Iでは起き上がってくるのだが、高橋一投手の場合はもう一呼吸ぐいっと左指先が地面を拭き払うかのように低く前へと突っ込んでゆく。それだけ頭の戻りは遅くなるが頭の振り子でも拍子をとる投手だから止むを得ないであろう。 高橋 一三
若い体のバネを利した
 広い右足の踏み出し幅
           解説・大島信雄
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