柏原は八代東高から昭和46年、外野手として南海に入団したが、その後ファームでは内野手としての訓練を受けた。48年度は桜井の控えとして時々二塁に起用されたが翌年は三塁にまわり、また50年には一塁手となった。これで一塁に定着かとみえたが昨シーズンはピアーズの加入で古巣の左翼に戻り、藤原が故障するや再び三塁という守備位置の変動があり、これが打力の進歩に影響したと考えられる。昨年は打率・255本塁打18打点54の成績に終わったが、今シーズン日本ハムに移って一塁に定着するや打率3割をマーク、三番打者として重責を果たしている。しかも本塁打、打点など過去の記録を上回る好調さであるが、大沢監督、矢頭コーチは精神面の充実を第一に取り上げている。たしかにフォームそのものはあまり変わっていないが、ただ踏み出した時の足幅がやや狭くなり、これが下半身の柔軟さと腰の回転に役立っている。
 上掲の写真はインパクトのあと重心の移動が不足しているが、これは外角よりのコースを引き付けて右方向に打ち返したため。スタンスではヒザをリラックスさせ、踏み出す時重心を後ろ足に残しているため腰が安定している(@〜B)。前足を上げて踏み出しているが、この時点で前ヒザが昨年に比べかなり低く、また足幅が狭められたため左足が速く定地し、また重心を右足に残すことにも役立っている。(C〜E)。スイングを始動するや後ろ足を送り込み、早く水平打法に移っているが右方向に打ち返すにはこのレベルスイングが必要であり、また腰を押し出すことも重要なポイントである(F〜H)。よく腰を引いて右方向を狙う打者をみかけるが、これでは手打ちになり球威に負けてファウルか凡フライになる率が多くなる。インパクトのあと前足を伸ばしてスウェーを止めているが、両腕が前方によく伸びフォロースルーでバットが水平近くに戻されている(I〜K)。
 南海時代は時々振り出すとき右肩を下げ、これがアッパースイングに結びつく欠点となっていたが、これが矯正されている。今のフォロースルーを続けることが右肩の下がりを防ぐことになると進言しておく。 柏原 純一
踏み出しの足幅が狭まり
 柔軟さを増した下半身
           解説・松木謙治郎
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