もう10数年も前の話になるだろうか?サンフランシスコ・ジャイアンツの投手として脚光を浴びた村上が、古巣の南海へ戻ってきた。ところがなんたることか、成績は期待とは裏腹に惨めなものであった。当時の鶴岡監督も頭を痛めていたものである。もちろんその背景には日米野球の"質の違い"もあったであろうが、私は彼のリリースポイントがピリっとしない"こんにゃく投法に問題点がある"と指摘したのを覚えている。
 失礼な言い方だが、日本ハムに移ってからの村上に再び注目してみる気になった私は、正直言って「まず技術的に上手いと感心させられるようになったがその伏線は打者とのかけひきが堂に入ってきたことだ。その上捕手との呼吸もよくなったがこれは投球の醍醐味が飲み込めてきた証拠といえようか。さらに球の種類も増えてきて総体的に安定感が備わってきたと感じるようになったものである。その安定感をこの連続写真に当てはめるとD〜Hの5コマにはっきりみることができると言えよう。
 以前はこのタイミングの瞬間に既に足と腰が浮いてしまって、雲の上を歩きながら投球しているような趣があったのに。格段の進歩とみていい。I〜Kのフィニッシュにかけてはまだ昔のこんにゃくの味が抜けきらず、女性的にリストだけに頼って腰が沈んでいない物足りなさはあるが、前記のD〜Hならさしずめ粘りのある腰の利いたこんにゃくに変身したものとみたい。投球フォームの分析上、もちろんI以下も非常に大切だが、その前身である肝心なD〜Hがこのようにすばらしくなった。投球内容のよさを保証されたも同然である。D〜Hに限って言えば一点の非の打ちどころもない。二塁走者を注意しながらしかも打者をじらしてスロー感覚で@〜Cを経過しているので反射的にD〜Hが一際光っているのも事実である。 村上 雅則
粘りのある腰の利
    いた投球フォーム
          解説・大島信雄
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