もう一段上のランクを目指して挑戦してほしい投手だ。毎年「投手15傑」に名を連ねる一種の安定感もけっこうだが、日本ハムの快進撃をひとりで背負ってたつような快投を見せてもらいたいものである。9年前の甲子園の原点に立てば半ばそれは可能であろう。
 目を分解写真に移そう。幾度も幾度も見直したが、まず全体を貫いているリズム感がしっかりしているのが目に付く。特に前半の「静」に対しF以降の後半の「動」へのつなぎ方がいい。
 おそらくG〜Iへの左足のストライドは広いほうだ(標準はスパイクを縦に並べて5足半か6足分)と思うが、足腰の強さとスピード感、それに加えて力感でもって立派にリカバーしている。だから少しも不安を感じさせないし、投球軸がぐらついていないKの仕上げはさすがというほかない。
 もう一度順を追って要点だけをチェックしよう。@とAは打者への観察と合わせてボールを極力グラブで隠す配慮が滲み出ている
BCは腰と肩を回す助成運動だが、えてしてこの時機に大抵の投手がそれに気をとられて両ヒジの角度が甘くなりがちなものである。
 むろんそうなればボールは打者から見えてしまうが、佐伯投手はぎりぎりのところで歯止めをかけている。
 DとEは全体(特に上半身と下半身)の釣り合いが整っていることと、柔軟な感じにひかれる。それを受けて一気にFから貯められてきた力を爆発させているのだが、圧巻はGとHであろう。昨今の投手は左肩の開きも早いし、右肩の引きも方向と距離がともに甘い傾向にあるが、その中にあって佐伯は珍しい存在に入ると思う。その意味ではGとHはこれから育つ投手のお手本といえよう。 佐伯 和司
よくたまった左肩
   と十分ひいた右肩
         解説・大島信雄
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