千藤は岐阜商から早大に進んだが、同学年の矢沢と荒川が花形選手として人気があったためあまり目立たぬ存在だった。しかし卒業後拓殖銀行の外野手で活躍、その打力を買って昭和47年東映(現日本ハム)が迎えたのである。開幕の西鉄戦で東尾投手から2安打して期待されたが、外野には張本・白のほかクリスチャンがいたため、控えが多くなり打率こそ・280をマークしたが65試合の出場に終わった。日拓となった翌48年は右翼に定着、五番打者として打率・275本塁打10本をマークした。しかし本塁打はこの年が彼自身の最高であり、体力からみて長打率が不足している。特に昨シーズンは61試合に出て打率・203本塁打2という不調に終わっている。
 年齢・体力などからみて実力を出していないが、これはあきらかにフォームからきている。特に悪いのはスタンスから踏み出しにかけてグリップの位置が高すぎることである。入団当時のコーチ毒島が現役時代これに近いグリップだったのでこれを真似たと考えられるが、バットの角度はこれほど深くなかった。また踏み出しに移るとき右ヒザを高く上げて一本足打法をとっているが、これも王選手のフォームを真似たと思われる。だが王のヒザはこの高さまで上がらず、また重心も後ろ足に完全に残っている。バッティングで人真似をすることは禁物と言われるが、二つも悪い点だけ真似ていることが進歩を妨げる要因となっている。
 上掲の写真@のスタンスから踏み出したEまでをみると、誠に無駄な動作が多い。バットの角度やグリップの高さ、右ヒザの上げなど、これではインパクトまでに長い時間がかかり、また頭の位置からみて目に上下動を与えている。スイングではヒザを送り力強さが感じられる(F〜H)。しかしインパクトのあと右手の引きが弱いため重心が前方に移っていない(I〜K)。写真Eに近い態勢でスタンスをとること。これがフォームを安定させ、打率ばかりか長打力にも結びつくと進言する。 千藤 三樹男
右手の強化とグリップ
     の位置を少し低く
           解説・松木謙治郎
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