小田はヤクルト時代ほとんど代打要員だったが、50年度日本ハムに移るや一塁に定着、とくに後期は高打率をあげ四番打者として活躍した。この年打率・319をマーク、わずか太平洋の白(現ロッテ)に5毛差で首位打者の栄冠を奪われたが、本塁打16打点53をマークした。しかし昨シーズンは打率・281本塁打10とやや低調に終わった。大沢監督は上半身を早く突っ込む欠点があると言っているが、首位打者を争ったときのミート打法がフォームを崩す原因になったと考えられる。
 上掲の写真は、内角高めを左方向に打ち返したものと判断されるが、上半身を後方に残すことを意識しすぎたためか、重心が前足に移っていない。これでは高め速球に振り遅れ、また打球が伸びない原因となる。スタンスでは両ヒザを絞り、小さく踏み出しているためほとんど態勢が変わらず無理のないフォームである(@〜B)。
 踏み出したあとグリップを後方に残し、完全なバックをとっているが、すでに下半身に力がかかりすぎている(C〜E)。これでは重心の移動や腰の鋭い回転を妨げることになるが、踏み出したとき前足の"土踏まず"内側で体重を支え両ヒザをリラックスさせておくことが、鋭いスイングと力の蓄積に役立っている。
 スイングを始動するや後ろの足のヒザを上手く送り込んでいるが、前ヒザが堅くしかも前方に逃げているためこれが利用されていない(F〜H)。最近変化球を中心とする投手が多くなったため、各打者は引き付けて打つフォームをとっているが、ただ上半身を残すだけでは重心が前足に移らない欠点となる。
 右打者の場合は逆腕である左手の引きを強くすること。これが重心を前足に移すことに役立つのである。フォロースルーでは両腕が前方にのび、フィニッシュでは水平に返っているが、前ヒザに無理があるため腰が回転していない(I〜K)。インパクト直前までヒザをリラックスさせておくこと、内角球は左手の引きを強くすることを進言しておく。 小田 義人
インパクトの直前まで
    ヒザのリラックスを
           解説・松木謙治郎
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