昨シーズン日ハムに迎えられたウイリアムスは、猪首が売り物だけに肩から腕にかけての筋肉はまことに発達している。このため始めは腕力だけに頼る打法だったが、さすが元大リーガーだけにミートがうまく前期は打率・309でベストテン3位の成績をあげた。しかし本塁打5本と長打力がやや不足の為、力強さを感じなかった。日本の投手が低目を中心にする事もあり、後期に入るや下半身、とくに右ヒザの送りと腰の回転を使うスイングに切り替えた。打率こそやや低下したが、本塁打18(通算23)と長打をみせ、中心打者としての責任を果たしている。
 上の写真は彼にとってはやや高目のコースを左方向に打ち返したものであるが、下半身のバネをうまく使っている。スタンスは身長(168センチ)からみて、やや広過ぎる感じをうけるが、踏み出しに移るとき前ヒザを絞りこれをカバーしている。小さな踏み出しのため足幅にあまり変化はないが、腰が低くなりまたバットの先端が下がって力強いフォームを示している(写真@〜B)。
 スイングを始動するや更に体勢を低くするため前ヒザが前方に出ているが、重心が後ろ足に残り左腕が後方によく伸びている。バットの角度にも無理がなく、これが水平打法に早く入れることに役立ってくる(C〜E)。スイングの途中高目のコースと判断するや再び体勢を高くして水平打法に移っている。インパクト直前では右ヒザを送り込みバランスのとれたフォームを示しているが、最も良い点はまだ前足のヒザにゆとりがあることである(F〜H)。
 この時点で前ヒザが伸びていると瞬発力が発揮できない欠点となる。インパクトのあと前ヒザが伸ばされ上半身のスウェーを止めているが、これが力強い打球を生むことになる。フォロースルーでは両腕が前方に良く伸び、腰の回転など見事なフォームである。彼に注文するとすれば振り出しのとき肩とヒザをもっとリラックスすることである。 ウォルト・ウイリアムス
右ヒザの送り腰の
   回転が見事な打法
         解説・松木謙治郎
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