実績のある投手がカド番に立たされると、こうも意欲を燃やすものかと感心させられる。順調にいけばオールスター戦出場の可能性もある。1年間のブランクがあるとは言え、さすが20勝投手らしい良いフォームをしている。この人なりに完成されたかたちで、難点をさがせばあるにはあるが、立派な姿だ。背景になっているスタンドが、こんなにもガランとしているのは物悲しさをおぼえさせる。
 巨人時代の後半不振をかこったのは、左投手でありながら左打者に対してシュートが投げられなかったところにある。移籍してはじめて持ち味が出てきたようだ。
 写真のAからEにみられるように、踏み出した足がよく曲げられているために、低めのコントロールがつく安定したピッチングが出来る。それに@Aのように左ヒジがよく上がって方の線よりも上の位置にあるのもよい。
 特徴はKのように腰を中心に体を折っていることで、右手のグローブをぐっと体に巻きつけているのも、フィニッシュのよさと第五の野手としての態勢にもつながっている。長身を上手く利用し、この人なりに作られてきたフォームは、今さら直すこともなかろうし直そうとしても無理だろう。
 欲を言うなら、後ろ足のケリが弱いことと、左腕の振りのシャープさに欠けていることだ。しかし腕の振りはコントロールをつけるためのことであるし、左足のケリの弱さは右足の屈折を生かすためのものでもあろう。つまらぬときに簡単に四球を出して命取りになることもあるが、単純な攻め方をしない技巧派。粘りっこいピッチングはパ・リーグ向きともいえる。
 心機一転した最近の高橋一の投球をみていると、もう一度花を咲かせてやりたい気持ちが湧いてくる。 高橋 一三 
長身を上手く利用して
   作られてきたフォーム
              解説・村山実
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